本稿の課題は、中内敏夫の教育理論が「能力主義」をどう捉えそれとどう向き合おうとしてきたのかを検討することである。中内は、能力主義は、教育領域にそれが浸透すると、教育による人間の発達の可能性の追求を断ち切ってしまうものとして捉えこれを批判し、一定水準の能力獲得をすべての者に確実に保障するための教育の実践と制度の構築をこれに対置して提起した。1990年頃中内は、近代になり〈教育〉という特殊な「人づくり」の様式が誕生・普及したが、そこには能力主義的・競争的性格が根源的に抜き難く刻み込まれているという論を押し出すようになるが、しかしその後も、上記のようないわば〈教育〉の徹底による能力主義への対峙という主張を基本的に変えていない。すなわち、〈教育〉は能力主義社会・競争社会に生きる人間の自立を助成する営みであらざるを得ないとの前提に立ち、その上で、「義務教育」としての「普通教育」においては、その社会を渡っていけるだけの「最低必要量」の能力獲得の保障を徹底させる、そのことが可能になるように〈教育〉の効力を向上させる―これが中内の能力主義に向き合う際の基本的スタンスである。本稿はこのように論じた上で最後に、中内の教育論とビースタのそれとを比較対照し、それを踏まえて〈教育〉がどのように能力主義と対峙すべきかについての筆者自身の見解を述べた
本論文の目的は,J.H. ペスタロッチーの教育思想を中心として,国家の機能と生活陶冶と の関係に目を向け,生活陶冶の視点から,国家の立つ位置を考察することである.彼は国家の特 定の統治形態に固執してい...
平成15年の地方自治法の一部を改正する法律(平成15年法律81号。以下「改正法」という。)では,より効率的な公共サービスを提供するためには,その提供方法の多様化を図ることが必要であるとの理由から,「公...
本稿は,時間軸上における時間の限定性により叙述タイプを再設定することで,可能表現の意味用法や成立制約を考察したものである。日本語の可能表現は形式的な特徴や意味用法が主として研究されてきた。特に可能の意...
本稿の課題は、中内敏夫の教育理論が「能力主義」をどう捉えそれとどう向き合おうとしてきたのかを検討することである。中内は、能力主義は、教育領域にそれが浸透すると、教育による人間の発達の可能性の追求を断ち...
荻生徂徠は江戸幕府最盛期に伊藤仁齋と竝される古學派の儒學者である。荻生徂徠については、これまで多くの研究が積み重ねられてきた。特に、丸山眞男の『日本政治思想史研究』は後の徂徠研究に多大な影響を與えた。...
本稿は,円地文子の「老女もの」の初期作品にあたる「蛇の声」を少女表象から検討を試みるものである。これまで研究史において「蛇の声」を含む一連の円地の「老女もの」は,老女のセクシュアリティに注目した読解が...
本稿では、叡山文庫天海蔵『諏訪大明神画詞』の祭絵部第一から第七、および末尾に付随する『当社春日大明神之秘記』の翻刻を行い、また『当社春日大明神之秘記』の解題を付す。 『当社春日大明神之秘記』は、諏訪信...
戦後日本のプログラム・ピクチャーとして人気を博したジャンルに、サラリーマン映画がある。これを最も得意とした会社が東宝である。1951年に公開された「ホープさん」以降、プロデューサー藤本真澄、原作提供源...
アメリカ政治史において、いわゆる「日本パニック」は1970年代後半から1990年代初頭までの政治評論の際立った特徴であるとみなされてきた。一方、この時代の多くのアメリカ人が日本の科学技術や文化を高く評...
藤原定家撰『物語二百番歌合』は、物語歌による最初の歌合だが、当時、物語歌は現実の和歌と同等ではなかった。つまり、評価の定まらなかった物語歌を、同時期に盛行していた歌合の形式で表出したのが、この作品だっ...
本稿は、助辞「ニシテ」の助動詞的用法について、いわゆる副詞語尾として用いられる「ニシテ」の現代語の中での用法とその広がりを、書き言葉コーパスの用例から見ようとしたものである。結果、「副詞+ニシテ」の用...
スヌーズレンは、今日世界的には「レクリエーション(またはレジャー)」や「セラピー」として認識され ているが、一方「教育」としての認識は遅れている。しかし現在国際スヌーズレン協会(ISNA)では「教育」...
小論では、全国18保育園に子どもを預ける父母を対象に実施した調査結果の分析を行った。配布した調査票は1000、回収率81.0%、計810の調査票が回収された。調査の主題は、共働き家族における家事と子育...
March 2013わが国では、バブル崩壊後の「失われた10年」において,経営再建の見込みが乏しい,いわゆる「ゾンビ企業」を存続させたことが,経済の回復を遅らせた主要な原因の1つであると指摘されてきた...
敗戦後に平和の武道として飛躍的に発展を遂げ、日本を代表する現代武道の一つとなった合気道は、植芝盛平によって創始された武道である。その発展の時期の背景にある合気道思想とはいかなるものであるのか。本稿では...
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